定年後の仕事探しの注意点
「定年後はのんびりセカンドライフを楽しみたい」と思っていたのに、いざ、定年を迎えるとこれといった趣味もなく、仕事以外でつながる友人も少なく、有り余る時間を持て余しまう人は多いようです。そこで、老後の時間を有効活用し、社会とのつながりを持ち続けようと、再び仕事を始めるシニア世代は増えています。
仕事を選ぶ際に見た目の楽しさ、賃金の高さなどを基準にして選んで失敗した人は少なくありません。たとえば、Aさんは勤めていた食品メーカーを65歳で退職した後「楽そうだし、給料もいいから」と、マンションの管理人に応募しました。働いてみると、仕事は予想と違い楽ではありませんでした。朝6時半には出勤し、ゴミの分別ができていない住人のゴミを分別し、ゴミ置き場や階段、廊下、ロビーなど共有部分を掃除し、切れている電灯を交換したり、住人から頼まれた雑用をしたり…と体力を使う仕事でした。住民同士の騒音トラブルや、住民からのクレームでストレスを抱え、鬱気味になり、腰痛も発症したため半年で辞めざるを得なくなりました。
Aさんの例のように、体力勝負の仕事は長続きしません。60代に差し掛かると、体力や気力が低下します。「見た目は楽そうだから」という理由で仕事を選んでも、実際、本当に楽な仕事かどうかは経験してみないと分かりません。「給料の良さ」で選ぶのも失敗の原因になります。怪我や病気にかかると、思い描いていた健康で有意義な老後が過ごせなくなります。自分の専門分野や得意なことを活かせる仕事など、老後の仕事選びは慎重に行いましょう。